安全靴を履いているのですが、安全靴の性能を確認するために、金属のポールをコツンコツンと何度も蹴っていたら、その衝撃でどうにも足を痛めてしまったポンコツです。こんにちは。
さて、今回は北海道で起きたガススプレー缶からのガス爆破事故のお話です。
私、通常の火災保険から保険がおりるのだろうなと思っていたのですがどうやらそうでもなさそうです。
掘り下げるとすごく長くなるし、そこまでの知識はないので少しだけ書こうと思います。これを機に保険を見直される方はご自身で保険会社に確認していただければ幸いです。もちろん当社は保険代理店も行っていますので相談お見積りはお気軽に。
通常の火災保険で補償される破裂・爆破は「部屋にあった消化器が爆発して壁が少し壊れた」とか「知らぬ間にガス漏れを起こしていて窓ガラスが吹っ飛んだ」とか軽過失のものです。
今回問題なのは軽過失ではなく、重過失・・・だろうというところです。
ツイッターで画像や情報をチラ見した限りでは100本くらいの消臭除菌スプレー缶を一気に噴出させ、手を洗おうとして給湯器を作動させたところガスに引火、爆発したとのことでした。
これが「予見できるのに、みすみす事故を招いてしまった」=「重過失」というわけです。
重過失となると火災保険からは補償されません。ではどこから補償されるのでしょうか?
個人ですと個人賠償責任保険が対象になるようです。これは自動車保険や火災保険などに付帯されていることも多く・・・
「お店の商品を不注意で壊してしまった」とか
「子供がボールを投げて他人の自動車に傷をつけた」などの個人が賠償する責任がある場合に使える保険です。
でも今回は社員ですから個人賠償責任保険は使えません。
そこで施設賠償責任保険の出番です。
例えば当店で扱っている、あいおいニッセイ同和損保の施設賠償責任保険では
「施設の所有・使用・管理や仕事の遂行に起因する事故により、下記の事態になった結果、被保険者が負担する法律上の損害賠償責任を補償します。」
と書かれています。
- 他人を死傷させたり、他人の財物を損壊させた。
- 不当な身体の拘束により自由を侵害した、あるいは名誉毀損した。
- 口頭、文章等により名誉毀損をした、あるいはプライバシー侵害した。
- 他人の財物を損壊することなく、使用不能にした。
この一番上が当てはまります。
ただ、施設賠償責任保険は、通常このような大きな損害を想定してはいません。
「物品の陳列中、誤って大きな商品を落としてしまい下にいたお客様に怪我をさせてしまった」とか
「お店の掃除をしていて床が滑りやすくなっていたことからお客様が転倒され骨折された」などを想定します。
ですから賠償の上限も5000万円から1億円が一般的です。
今回の事故では怪我をされた方も多く、周りの家や店も巻き込んでいます。
お店の休業損害も含めると損害賠償額は数億円以上とも聞きますので、施設賠償責任保険に入っているのか?そして補償額はいくらに設定しているのか?が気になるところです。
被害を受けた方には落ち度もないわけですが、もし損害賠償を請求しても支払ってもらえそうもない・・・となると(今回は大きな会社なのでそんなことはないでしょうが)被害者自身の火災保険を使うようになるかと思います。
火災保険は自動車保険と違って等級ダウンもないのでそれが唯一の救いかもしれません。
相手に支払能力がない場合、現実には打つ手なしとなってしまいます。自己防衛のためにも保険は意外に重要ですねというお話でした。